詐欺師の話に矛盾が出始めた日。会社の会長と警察へ相談しました
ある日、夫が銀行へ行った帰りのことでした。
詐欺師が働いていた会社の下請けの人たちが、現場で仕事をしているのを見かけたそうです。
夫は思い切ってその人を呼び止め、これまでの話をしてみました。
するとその人は驚いた様子でこう言ったそうです。
「そんな話、聞いたことないですよ」
夫はその場でさらに詳しく話を聞き、その流れで会社の会長と社長に繋いでもらうことになりました。
夫はこれまで詐欺師から聞いていた話を、すべて会長と社長に伝えました。
すると、話せば話すほど矛盾点が出てきたそうです。
そして例の「息子が交通事故で亡くなった」という話についても。
詐欺師はその話を、会長にも泣きながら話していたそうです。
ですが後になって分かったことですが、その「息子」と言われていた人は普通に生活している可能性が高いということでした。
この時点で、会長や社長も状況の異常さを感じていたようです。
さらに、この話は会社の名前を使って行われていたこともあり、
「このまま警察に相談しよう」
という話になり、そのまま警察へ行くことになりました。
そしてもう一つ。
詐欺師が言っていた「保険金が入る日」についても、何度か打ち合わせをすることになりました。
本当にその日にお金が入るのか。
それを確認するために、ある計画が立てられていきます。
詐欺師はこれまで会長のことを散々バカにするようなことを言っていました。
ですが実際に会長と話してみると、普通にLINEでやり取りもでき、とてもしっかりしている印象の方でした。
それもまた、今まで詐欺師から聞いていた話とは違っていました。
そして会長たちに繋いでもらってからも、詐欺師からは何度も電話がありました。
ですが、その内容は嘘ばかりでした。
実際には普通に会社に出勤しているにも関わらず、
「今、名古屋にいる」
など、その場しのぎの嘘を平然とついてきます。
後から考えると、本当に不思議なくらいでした。
まさに「息を吐くように嘘をつく」という言葉が、そのまま当てはまるような人でした。
こうして話をしていく中で、詐欺師の話には次々と矛盾が出てきました。
そして電話では、平然と嘘をつき続ける姿。
ここまで来ると、もう偶然や勘違いでは説明がつきません。
私たちは「これはおかしい」と確信するようになっていきました。
そして、このあとさらに決定的な出来事が起こります。

